【アメリカ横断】第1話~旅立ちの日編~

2017/06/22

 

匠です。

 

「初日から乗り遅れたら、全てが台無しだ」

 

という不安から、出発前夜は中々眠れませんでした、

 

というか寝ませんでした。

 

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夜中、書道教室の課題を続け寝落ちを回避。

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地図を見て、点と線を書き込み計画を再確認

 

朝9時半頃、シアトルのキング駅発のアムトラック列車に乗らなくてはならないので、

 

朝5時頃家を出て、エバレット駅からバスでシアトルへ。

 

幸運な事に、エバレット駅から列車乗り場近くのチャイナタウンに在るバス停は

 

「始発駅」と「終着駅」なので途中寝過ごす心配はない。(着いたら無理やり起こされる)

 

昨晩は一睡もしていないので、バス車内で爆睡。

 

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チャイナタウンに到着

 

チャイナタウンから歩いて1分程、真横に在るキング駅へ向かう。

 

駅構内に入ると、多くの荷物を抱えた人々が待合室で項垂れている。

 

どうやら、長い間乗車する列車を待ち続けている様だ。

 

バスもそうだったけれど、米国内の交通機関はよく遅延する。

 

計画通りに進んだことなど一度もない。

 

特に列車は大幅に遅れることが普通の様だ。

 

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駅構内アナウンスではなく、ただ電子版で通知...気付くのか?

 

 

幸運にも、僕の列車は定刻発車

 

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乗車券の確認、意外にも手動マニュアル(今はQRコードやEチケットが主流?)

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これがチケット...名前と列車名、発車時刻が一致していれば乗れる気軽さ



さて、日本でも恐らく乗ったことがない長距離列車。

 

しかも約23時間の乗車。

 

リクライニングのシートではあるものの、

 

流石に約丸一日椅子に座るのは厳しい。

 

そんな長くジワジワと過酷な旅の初めての相席は彼

 

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カールさん(左)

 

薬物犯罪ドラマ「ブレイキングバッド」で御馴染み、

 

ニューメキシコ州アルバーカーキから、シアトル市内に住む甥を訪れていたそう。

 

僕が写真内で手に持っている帽子の刺繍は、

 

アメリカ60年代のロックバンド「グレイトフルデッド」のもっとも有名なロゴ「スティール・ユア・フェイス・スカル」です。

 

エバレットで出逢った友人ノアが最も尊敬するバンドのひとつで、

 

彼とひとつ屋根の下共に暮らし始めて以来、僕も彼の影響でずっと聴いている音楽。

 

それを初めての相席カールさんが手にしているなんて、不思議なご縁です。

 

 

 

隣に座ったカールさん。日本の福島原発事故のことを知っていました。


過去15年間原子力関係の仕事をしていて、今はホームレスだそう。

 

プルトニウムの半滅期が24000年だということを教えてもらいました。


長いから危険だということには繋がらないけれど、こういった知識を知らないところで

 

「同情」は「非情」だと告げられました。


「誰も傷つけない”理解”から入れ」

 

そんな彼の言葉を浴びていながら


原子力関連の職に就いたきっかけを聴き忘れてしまいました。

 

 

そんな自戒の念を抱いている僕には、容赦のない睡魔が襲い掛かり就寝。

 

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一体、何時間経ったのだろうか。

 

窓の外の景色が異国の様だ!

 

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カラッと乾燥した大地にボサっと生えている木々は、明らかに北米のそれらとは異なる。

 

少し寝違え固くなった関節を延ばし、重い腰を持ちあげてやり休憩用車両へと向かう。

 

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多くの人がここで食事やら読書を壮大な景色と共に愉しむ様だ。

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僕も持参した本、「三四郎夏目漱石)」と1ドルコーヒーを愉しむ。

 

景色が美しいからだろうか、列車はのんびりと進んでいる様だ。

 

まあ、焦ることもないのでゆっくりとした時間を噛みしめよう。

 

そんな列車内のゆったり流れる様子が以下の動画です。

 

 

 

 

そうしているうちにまたしても寝落ちてしまう。

 

今度は休憩室のテーブルで。

 

授業中、居眠りをする中学生の様な状態。

 

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目を覚ますと、外の景色が少しではあるがまた違っていることに気付く。

 

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湿地が続く

カラっとした大地から、ヌメっとした湿地に変わった。

 

これもまたずーーーっと続く一定の景色。

 

グーグルのGPSを開くと、もうカリフォルニア州に入ろうかという所!

 

目が覚めてよかった。笑

 

次駅、エミリービル駅が近づいている様だ。

 

さあ、初めてのカリフォルニア州

 

何を見せてくれるのか、楽しみだ!