Orcas Isl. 5.12.19

平成31年5月12日

 

朝10時、今日は朝からのんびり。日曜日だが、Haileyは朝から農作業をしており、長い雨季を除いたこの季節は沢山働く必要があるという。

僕は引き続き雑草抜きを手伝う。その際に、大きな雑草を取り除くだけでよい、全て取り除こうとする労力と時間は勿体ないと言われ納得。雑草取り中に、Haileyに呼ばれきゅうりを植えたベッドに向かう。2本の畝にきゅうりの苗をHaileyと手分けして植えたのだが、僕の手伝った片方の畝のきゅうりがほぼ全滅していた。

 

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左: ヘイリー 右:ぼく


どうやら、僕の土の被せ方が十分ではなく、根が土の上に晒されていたらしい。

その後、しおれたトマトの苗を持ったHaileyが僕に面白いものを見せてくれた。そのトマトの葉はしわが多くうなだれていて、茎を触ってみると、本来は硬くて水気のある表面が柔らかく、もはや自立できないほど水分が減りしおれていた。その茎の中を指で開けて見てみると、大量の幼虫。

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Wirewarmと呼ばれる、黄色い幼虫。

植物の根や茎を蝕む害虫だ。去年の夏、とうもろこしを縦横10mの範囲に埋めたのだが、全てWirewarmに根を食われ全滅してしまったらしい。殺虫剤や虫よけスプレーなどを使用しないオーガニック農家はこうした害虫をどうすれば上手く対処できるのか、失敗を通して学んでいく。害虫のみではなく、土壌の性質も、どの植物に合って、合わないのかを最初から見極めるのは難しい。しかし、これが自然と共生していく唯一の手段、会話だと思う。

 

昼ご飯は昨日の残り飯であるポテトを食べた。

昼を食べて、自転車に乗り島唯一の醸造所へ向かうことに。Tonyの妻、Quinceeが且つて乗っていた自転車に空気を入れブレーキやハンドルのボルトを締めなおし、錆びた箇所には油をさしてやり、乗れるように修理し醸造所へ向かう。

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起伏の激しい山道を、ギアが付いておらず、すぐにタイヤの空気が抜けてしまうこの古い自転車ではとても大変である。

 

 

午後3時―8時、Brewery

醸造所に来た訳は他でもなく、今日5月12日日曜日、母の日の家族の集まりの邪魔をしたくはないからである。HaileyやKathy、家族を支える母親たちに感謝の気持ちを伝える大事な日。夕食に招待をされたが、気を遣って断った。

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自転車は鍵をかけず外に置き去り。島は安全だ。

それにしても、ここの醸造所は雰囲気がいい。満席でも30人ほど座れるだろうかという小さな醸造所で、奥にある個室には夜4-8時、誰も客が入って来ない。

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僕はその部屋を独占、落ち着いた喫茶店にいるようだ。

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島ならではの贅沢。IPAとKosher ビールを、お代わり自由のピーナッツ、プリッツェルと堪能。


気づいたら日没時間を迎えており、急いでHailey宅に戻ることに。

夜9時、道を照らす灯り一つない森の道を約30分自転車で走り切り、Hailey宅に到着。今週末はKathyの知り合い、JannettがKathy宅を訪れているのでHailey宅に泊まる。

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日が沈み、紫色の空は暗闇から良く見える。

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夜道から覗く家の灯りは美しい。