ノアの誕生日ー前編ー

-2017/05/05

 

匠です。

 

今日は、ノアの誕生日。

 

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インタビューをした日を境に

 

ほぼ毎日遊んでいる彼には、日々色々と感謝することがあります。

 

エバレット市内の案内、

 

彼を通じて出逢う人々との出逢い、

 

異言語、異文化に関する支えと理解、

 

一人暮らしのコツ、

 

心地良い音楽。

 

更に細部を引き出すと、キリがありません。

 

ですので、誕生日はぜひ盛大にお祝いしたいと感じます。

 

 

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2017/05/05

 

幸いにも、2017年度の5月5日は金曜日。

 

また、Cinco de Mayo と呼ばれるメキシコの年間行事の日でもあり、

 

南米系移民の方により、街中がお祝いムードに包まれます。

 

america-info.site

 

そんな金曜日、またも偶然、

 

以前のヒッピー過ぎたハウスパーティで演奏をしていたバンド”Bunk Foss”がエバレット市内にある海沿いのバーで演奏をするというのです。

 

もちろん、それを聞いた僕と彼はその夜、そのバーへ向かうことに決めます。

 

バーの名前は「Anchor Pub」

 

 

"Anchor" とは 日本語で「碇:⚓」を意味しており、

 

約80年前、当時のエバレット港に勤めていた船長の一人が

 

ビールバーを開き、その名残で今も「船」や「海」を連想させる昔ながらの飲み屋です。

 

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店内で人々を優しく見守るマーメイド。

 

 

そこでは毎週末、音楽ライブが開かれており今回は偶然前回参加したパーティに来ていたバンド"Bunk Foss"だったわけです。

 

ついてますね~

 

夜7時半頃、ドアが開く30分前にバーに到着。

 

当時、僕を含めほぼ全員が21歳未満であったため、手の甲にブルーライトで光るスタンプを押される。店内でお酒は飲めないという印。

 

まだライブは始まっていないけれど、

 

指の魔術師、シャムが既に店内でビールを飲んでいた。

 

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一緒にバーへ来たメンバー。

 

オフ状態の彼はいつ見ても愉快で楽しい人だ。

 

この人が、ドラムを叩いて空間を歪めることが出来るとは誰も予想出来るはずがない。

 

ライブ開始10分前、最前列に陣取り。

 

体を揺らす準備は出来ている。

 

8時になり、MCの人が今日のラインアップを紹介する。

 

どうやら、前座バンドが2組程いるらしい。

 

けれど、やはりトリはBunk Foss

 

ああ、待ちきれない。

 

2週間も経たず内にまたこうして、あの興奮を感じることが出来るとは。

 

しかも、大切な友人の誕生日当日に。

 

 

前座バンドは即興ラップ、インディー感丸出しのベースラインという感じであったが、

 

21歳以上の友人に頼みビールを手に入れ、隠れてお酒を飲んでいた僕らは

 

Bunk Foss メンバー達の入場に向けて鼓動が高まり、流れ続ける音楽に順応していく。

 

 

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前座①

 

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前座②

 

そしてついに、9時頃だろうか、彼らの入場。

 

流石は地元に愛されるローカルバンド、

 

前座組に比べ観客が2,3倍も多くバー内が埋め尽くされている。

 

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特に、演奏開始前にバンドメンバーは語ることはせず、

 

以前同様、ドラムの合図で演奏が始まる。

 

 

 

「ああ、このウニョウニョ感。」

 

ピヨーンと伸びるギターやキーボードの音が心地いい。

 

シャムも間を読んでたまに太鼓を叩く、

 

演奏が進むにつれ、

 

ドラムや、ボーカルのラップのパンチが聞いてくる。

 

以前のハウスパーティでは、比較的若い学生が多かったの対し、

 

今回は地元に老舗バーということもあり、

 

叫んだり、押し合ったりするというような観客の乱れた様子はなく、

 

より節度の保たれた空間で彼らの音楽を聞くことが出来ました。

 

そのおかげか、演奏中、バンドメンバー同士が視線を送り合う瞬間や、

 

少しのズレを修正するため、あるメンバーが別のメンバーに音で合図の様なものを送っていたり、

 

下を向いて踊り狂っていては決して見ることのなかった、小さな気付きが多く見えました。

 

非現実的な音が広がる空間に、凄く生々しい人間らしさが表れていて、

 

視覚的にもまた別の音楽の楽しみ方があることを知りました。

 

そういった意味では、僕の好きな尾崎豊が、喉を潰しながらも爆発的な感情表現で観客を魅了していたり、

 

決して上手とは言えない大瀧詠一細野晴臣の歌声に対し、彼らの無表情な中に現れる悲しみや、声の強弱に伴う聴き心地の良い歌詞上の単語の連なりなど、

 

曲の意味を越える何らかの感性が刺激されます。

 

 

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しかしやはり、ライブが終わる頃には疲労が隠せない。

 

みんな長時間会場に立ち尽くしていたので、足が疲れている。

 

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「良かったよ」と一言。

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記念撮影。


 

数時間ぶりにバーの外へ出て、新鮮な空気を吸う。

 

Bunk Fossのメンバーも出てきて、潮風にさすられながら握手交わす。

 

店の前、素早く集合写真を撮り、解散。

 

こんなに贅沢な夜を過ごし、帰りは歩いて10分の所に家がある。

 

何と幸せな環境に僕はいるのか。

 

出逢いの繋がりが招いたこの恵みに感謝です。

 

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